一級建築士と二級建築士の違いとは?年収格差と業務範囲の境界線を解剖

一級建築士と二級建築士の違いとは?年収格差と業務範囲の境界線を解剖

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ネット上の就職フォーラムやSNSでは、「二級建築士なんて取っても足の裏の米粒(取っても食えない)」「持っているだけ無駄」といった極端な意見が散見されます。しかし、これは業界構造を無視した悪質なバイアスです。

誤解1:二級建築士は取得しても意味がない?

これは完全な誤解です。日本の全建築物のうち、棟数ベースで見れば約8割以上が戸建て住宅や低層アパートなどの小規模建築物です。これら日常の暮らしを支える建築のほとんどは、二級建築士の業務範囲内で完全にカバーされています。さらに、リフォーム・リノベーション市場が拡大する現在、既存住宅のインスペクション(建物状況調査)を行う上でも二級建築士は非常に強力な武器となります。

また、建築系の学生や未経験者が実務に就く際、二級建築士を保持していることは「建築基準法と設計製図の基礎構造を理解している客観的証拠」として採用現場で極めて高く評価されます。無資格者と二級保持者の間には、採用の可否において巨大な壁が存在します。

誤解2:一級建築士を取得すれば一生安泰?

こちらも危険な幻想です。近年の資格保持者の間で問題視されているのが、「名義貸しリスク」や「専属確認申請マシーン」への転落です。設計事務所や中小ゼネコンの中には、官公庁案件の入札要件や特定建設業の営業所専任技術者の頭数を揃えるためだけに一級建築士を欲しがるケースが少なくありません。

難関試験を突破して一級を取得したものの、任される仕事は他人が引いた図面の整合性チェックと確認申請書類の判子押しばかりで、クリエイティブな設計実務を一切積めないまま40代を迎えてしまうケースも見受けられます。「一級建築士=稼げる建築家」ではなく、高度な責任を負う技術者ライセンスを手に入れたに過ぎないという冷徹な認識が不可欠です。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。