グレートデンを目の前にした人がまず圧倒されるのは、地面から背中(肩甲骨の最高点)までの垂直距離を示す「体高」の圧倒的な高さです。ジャパンケネルクラブ(JKC)および国際畜犬連盟(FCI)の公式品種基準によると、オスの理想体高は80〜90cm、メスは72〜84cmと規定されています。大型犬の代表格であるゴールデンレトリーバーの体高が約56〜61cmであることを考慮すると、肩の位置だけでも20cm以上高い位置にある計算になります。
骨格と筋肉の密度も凄まじく、成犬時の体重はオスで約54〜90kg、大柄な個体ではメスでも45〜65kgに達します。これは成人男性1人分、あるいはそれ以上の重量が4本の強靭な四肢に乗っている状態を意味します。
さらに周囲を驚愕させるのが、グレートデンが立ち上がった大きさです。親愛の情を示して前肢を人間の肩に乗せてきたり、立ち上がって伸びをしたりした際の全長は、優に200cm(2メートル)から220cmを突破します。一般的な家屋のドア枠(高さ約200cm)の上枠に頭部が届くサイズ感であり、175cm前後の成人男性であっても完全に頭越しに見下ろされることになります。散歩中にふいに立ち上がられるだけで、周囲の通行人が足を止めて驚愕するのも無理はありません。
歴代のギネス世界記録に目を向けると、その限界値はさらに異次元の領域に達しています。世界一背の高い犬としてギネス記録に認定された米ミシガン州のグレートデン「ゼウス(Zeus)」号は、体高111.8cm、後肢で直立した際の全高は驚異の223cmを記録しました。ゼウス号が水分を補給する際は、床に置いたボウルではなく、台所の水道の蛇口から直接立ったまま水を飲んでいたというエピソードが残されているほどです。