チームの精神的支柱となったのが、NBAで泥水をすすりながら契約を勝ち取ってきた渡邊雄太でした。大会前、「もし今回オリンピック出場権を獲れなければ、代表のユニフォームを脱ぐ」と公言。背水の陣を自らに課すことで、チーム全体の意識を強制的に引き締めました。満身創痍の足首を抱えながら、相手のエースを封じ込める執念のディフェンスは、チームメイトに勇気を与え続けました。
その渡邊選手をコート外から、そして的確なゲームコントロールで支えたのがキャプテンの富樫勇樹です。先発を河村選手に譲る時間帯が増えても腐ることなく、ベンチから誰よりも声を出し、チームの精神的バランスを保ち続けました。富樫選手の圧倒的なキャプテンシーとフォロワーシップがあったからこそ、若手主体のチームがプレッシャーに押し潰されずに済んだと言えます。
また、「和製ステフィン・カリー」と称された富永啓生の爆発的な3ポイントシュートや、ディフェンスの要として相手シューターを完全に封じ込めた馬場雄大の献身も見逃せません。馬場選手は当時無所属という異例の状況で大会に挑みましたが、フィジカルと運動量でチームを幾度となく救いました。