SNSや知恵袋などで散見されるのが、「ワンデーのコンタクトレンズをつけて普通のゴーグルで泳げば、度付きゴーグルなんて買わなくても済む」という意見です。しかし、この行為には失明リスクすら孕む重大な健康被害が潜んでいます。
眼科医会や日本コンタクトレンズ学会が継続的に警告を発している通り、水泳コンタクトレンズ危険性は極めて高く、水泳中のコンタクト装用は原則禁止とされています。理由は大きく分けて3点あります。
第一に、「アカントアメーバ角膜炎」の発症リスクです。プール水や水道水の中には、微小な原生生物であるアカントアメーバが生息しています。コンタクトレンズを装着した状態で水が目に入ると、レンズと角膜の間にアメーバがトラップされ、角膜に侵入して激しい痛みや角膜潰瘍を引き起こします。最悪の場合、角膜移植が必要になったり失明に至ったりする極めて難治性の疾患です。
第二に、浸透圧によるレンズの変形・吸着です。プールの塩素消毒水は涙液とは浸透圧が異なるため、ソフトコンタクトレンズが水分を奪われて硬化したり、逆に水分を含んで異常に膨張したりします。これによりレンズが角膜に強く張り付き、外す際に角膜上皮を剥離させてしまう事故が頻発しています。
第三に、水圧によるレンズの脱落・紛失です。息継ぎやターン、飛び込みの瞬間にゴーグルへ水が浸入することは珍しくありません。水中でコンタクトが外れて流失すると、一瞬にして視界を奪われ、パニックを起こして溺水事故につながる恐れがあります。「使い捨てだから濡れても捨てるだけ」という安易な自己判断は、目の健康寿命を著しく脅かす危険な行為です。