逮捕=有罪の罠!推定無罪の原則と実名報道が招くネット私刑の真相

逮捕=有罪の罠!推定無罪の原則と実名報道が招くネット私刑の真相

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逮捕された段階で名前、年齢、顔写真、自宅周辺の映像まで大々的に晒し上げる実名報道と人権侵害の衝突は、メディア倫理における最大級の火種であり続けています。事件の速報段階でセンセーショナルに報じられた容疑者が、後に「嫌疑不十分」で不起訴処分になったり、裁判で無罪を勝ち取ったりした場合、メディアがそれをどう報じるか。その扱いは朝刊の片隅のわずか数行、あるいはネット配信のベタ記事一本で終わるのが常態化しています。

国家賠償請求訴訟で捜査の違法性が暴かれた大川原化工機事件の冤罪劇において、拘束中に命を落とした顧問の無念や、法廷で涙ながらに「失われた数年間の名誉と日常は二度と戻らない」と訴えた役員の言葉は、報道被害の深刻さを如実に物語っています。逮捕時にメディアが書き立てた「不正輸出の疑い」という見出しは、無罪判決や起訴取り消しが出た後も、検索エンジンのインデックスや掲示板のログとして半永久的にインターネットの深淵に残り続けます。

現場の取材を通して痛感するのは、SNSの普及に伴い激化したネット私刑問題点のグロテスクさです。大手メディアの報道をトリガーとして、一般ネットユーザーが「正義の執行者」を気取り、被疑者の家族のSNSアカウントを特定し、無関係な親族の勤務先へ抗議電話を殺到させる。過熱するメディアリンチ批判の声が高まる背景には、一度刻まれたデジタルタトゥーによって就職、結婚、住居の契約すら阻まれ、社会的な死を宣告される被害者の叫びがあります。法的手続きを踏まない大衆のリンチは、法治主義の完全な否定に他なりません。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。