ビジネスの現場で頻繁に重大な意思決定ミスを引き起こすのが、単純平均と加重平均の違いを正しく理解していないケースです。特に、割合やパーセントの平均の出し方を単純平均で処理してしまうと、実態からかけ離れた数値を算出してしまいます。
典型的な例として、あるECサイトを運営する企業における「2つのWeb広告キャンペーンの成約率(コンバージョン率)」を検証してみましょう。
- キャンペーンA:アクセス数 100件 / 成約数 10件(成約率 10.0%)
- キャンペーンB:アクセス数 10,000件 / 成約数 500件(成約率 5.0%)
ここで、2つの施策全体の平均成約率を求めようとして、単純にパーセントを足して2で割るミス((10% + 5%) ÷ 2 = 7.5%)を犯す担当者が後を絶ちません。しかし、この計算は致命的な誤りです。なぜなら、母数であるアクセス数の規模が100倍も異なるからです。
正しくは、全体の実数を合算して計算する加重平均の計算方法を用いなければなりません。
【正しい全体成約率の計算】
総成約数(10件 + 500件) ÷ 総アクセス数(100件 + 10,000件) = 510 ÷ 10,100 ≒ 5.05%
単純平均で算出した「7.5%」と、実際の「5.05%」の間には、約2.45ポイントもの巨大な乖離が生じています。この誤った7.5%をベースに来期の広告予算や売上予測を立ててしまえば、計画の大幅な未達を招くことは明白です。母集団の大きさに差があるデータや、単価の異なる商品の平均仕入れ原価を計算する際は、各データの「重み(ウェイト)」を乗じて計算する加重平均の適用が絶対条件となります。