薄毛に悩む男性が美容室を訪れた際、現場のスタイリストと客の間には深刻なコミュニケーションの乖離が存在します。都内激戦区のメンズ専門ヘアサロンで月間150名以上のカットを担当するトップスタイリストは、カウンセリング現場のリアルを次のように証言します。
「お客様の多くは、生え際を気にされていることを口にするのが恥ずかしく、『サイドをすっきり刈り上げて、前髪は少し長さを残してください』とだけオーダーされます。この曖昧な頼み方をされると、美容師側はトレンドのツーブロックを作ろうとして、側頭部の高い位置までバリカンを入れ、前髪を軽く梳いてしまう。その結果、M字の割れ目が強調された状態で仕上がり、お客様は二度とその店に来なくなってしまうのです」(都内メンズサロン代表ディレクター)
ネット上のコミュニティやSNSに投稿された当事者たちの手記を調査すると、「美容院の強い照明の下で鏡を見せられた瞬間、額の両端がスカスカになっているのが見えて血の気が引いた」「セット直後はスプレーで固められていたが、帰り道の突風で前髪が真っ二つに割れ、恥ずかしさで帽子を買いに走った」といった生々しい体験談が数多く見受けられます。
この悲劇を避けるための正しいM字はげツーブロック頼み方は、以下の3つのポイントを臆せず美容師へ伝えることに集約されます。
1つ目は、「こめかみの生え際が気になるので、刈り上げの位置は耳の上ギリギリの低い位置で止めてほしい」とミリ単位の境界線を指定すること。2つ目は、「前髪の厚みを残したいので、フロント部分の毛量はあまり梳かないでほしい」と梳きバサミの乱用を止めること。そして3つ目は、「トップの奥(頭頂部寄り)の髪を前に持ってくる設計にしてほしい」と立体的な奥行きをリクエストすることです。プロのスタイリストであれば、これらの要望を受けた瞬間に「骨格と薄毛カバーを考慮したカット」へと即座に思考を切り替えます。