アガベ笹の雪の斑入り品種において、最高峰のプレステージを誇るのが「氷山」と「ピンキー」です。オークションやフリマアプリでは両者の名称や性質が混同され、高額なトラブルに発展するケースが散見されます。
氷山(Agave victoriae-reginae 'Hyouzan')は、通常の笹の雪から生まれた白中斑(葉の中央に明瞭な白斑が入る)の突然変異系統です。濃緑の葉縁と中央の純白、そしてその境目を走るシャープな白線が織りなすモノトーンの美しさは唯一無二と評されます。一方のピンキー(Agave victoriae-reginae 'Pinky' / 王妃笹の雪覆輪錦)は、葉が短く小ぶりな「王妃笹の雪」の覆輪斑(葉の外縁に白い斑が入る)品種です。最大の特徴は、秋から初冬にかけて気温が低下すると、白い覆輪部分が鮮やかなサーモンピンク色に紅葉する点にあります。
購入時の最大の盲点は、海外から輸入されたメリクロン(TC / 組織培養)株の偽装や固定度の低さです。組織培養によって大量増殖された安価な苗の中には、成長するにつれて斑が抜けて普通種に戻ってしまったり、斑のコントラストが極めて濁る「ハズレ株」が混入しています。特に数万円以上の個体を購入する際は、親株の画像が明確に確認できる国内実生・カキ仔増殖株を選ぶか、信頼できる専門ナーセリーから直接買い付けるのが鉄則です。