突然声が出ない…失声症とは?原因と治し方・受診の診療科を徹底解説

突然声が出ない…失声症とは?原因と治し方・受診の診療科を徹底解説

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声が出ないという症状に直面した際、インターネット検索や医療相談で最も頻繁に混同されるのが「失語症」や「場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)」との差異です。これらは原因となる器官や病態水準がまったく異なるため、正確な鑑別診断が不可欠となります。

まず、失声症と失語症の違いの根幹は「発声器官の機能障害か、脳の言語中枢の破壊か」という点にあります。失語症は、脳梗塞や頭部外傷によって大脳の言語野(ウェルニッケ野やブローカ野など)が損傷を受けることで発症します。そのため、声そのものは出せても「適切な単語が思い出せない」「相手の言葉の意味が理解できない」「文字が書けない・読めない」といった高次脳機能の障害が前面に出ます。一方の失声症は言語中枢に一切の異常がなく、思考力も語彙力も完全に保たれており、筆談やキーボード入力を用いれば健常時と変わらない高度なコミュニケーションが可能です。

また、小児期や思春期に多く見られる場面緘黙症との違いについても整理が必要です。場面緘黙症は不安症群に属し、「家族の前や自宅では普通にお喋りできるが、学校など特定の社会的場面に入ると一切話せなくなる」という環境依存性を示します。これに対して失声症は、特定の場面に限らず自宅や一人の空間であっても一貫して声が出せない点が特徴です。

疾患・状態病態の本質と障害部位筆談・読み書きの可否主な誘因と発症パターン失声症(心因性)声帯の運動調節不全(器質的異常なし)完全に可能(知能・言語能力は正常)急性・慢性の極度なストレス、トラウマ失語症大脳言語野(左半球など)の器質的損傷困難(読み書き・理解にも障害)脳卒中(脳梗塞・脳出血)、頭部外傷場面緘黙症特定の社会的場面に対する限局性不安可能(場面によって筆談も拒否する場合あり)対人不安、環境移行(入園・入学など)反回神経麻痺声帯を動かす神経の器質的障害完全に可能(かすれ声・誤嚥を伴う)甲状腺手術、胸部大動脈瘤、肺がん等
橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。