店頭での物品販売だけでなく、外食産業における提供現場でも、未成年のノンアルコール利用をめぐって激しい摩擦が生じています。
歓送迎会シーズンや打ち上げの際、未成年同士のグループや保護者同伴の席で「ノンアルコールカクテル(モクテル)」や「ノンアルコールビール」を注文しようとして、店側から身分証提示を求められたり、注文を断られたりするケースが多発しています。飲食業界の大手チェーン各社への取材では、「店舗の方針として、未成年と判明しているお客様へのノンアルコールテイスト飲料の提供は一律禁止」とするマニュアルが定着している実態が浮き彫りになりました。
都内の大手居酒屋チェーンのエリアマネージャーは、次のように語ります。
「警察の抜き打ち立ち入り検査が入った際、テーブルにビールジョッキやカクテルグラスが並んでいるだけで、未成年飲酒の強い疑いをかけられます。中身がノンアルコールだと主張しても、現場で成分検査ができるわけではありません。さらに最悪なのは、グループ内の成人が頼んだ本物のアルコールとノンアルコールを席で入れ替えて飲む『偽装飲酒』です。このリスクを完全に防ぐためには、グラスの形状を分けるか、最初から未成年には提供しないルールにするしかありません」
一方で、ファミリーレストランのドリンクバーに導入されている炭酸水やシロップを混ぜて作るノンアルコール風ドリンクについては、物理的な監視が難しく、実質的に利用者のモラルに委ねられているのが現状です。しかし、カラオケ店など密室性の高い空間では、受付時の年齢確認を徹底し、未成年グループのルーム内へのノンアルコールビールの持ち込みや注文をシステム上で遮断する運用が主流となっています。