多くの投資家が疑問を抱く「なぜあれほど下落したのか」という問いに対し、ファクトに基づいた理由は明確に2点存在します。第一が世界的な金融引き締めによるグロース株のバリュエーション調整、そして第二が為替ヘッジあり型を直撃したヘッジコストの急拡大です。
本ファンドが組み入れる「ハイクオリティ成長企業」は、遠い将来にわたって高い利益を生み出す前提で現在の株価が形成されています。このような成長株は、金利が上昇すると将来キャッシュフローの現在価値が割り引かれ、株価収益率(PER)の圧縮が急激に進む脆弱性を持ちます。2022年、米連邦準備制度理事会(FRB)が急速なペースで政策金利を引き上げた際、メガテックを中心とする組入上位銘柄が一斉に売り叩かれ、基準価額を大きく押し下げました。
さらに悲劇を拡大させたのが「為替ヘッジあり」を選択した投資家の境遇です。当時、日米の金利差が急拡大したことで、為替ヘッジコストは年率5%以上に跳ね上がりました。「為替ヘッジなし」を選んだ投資家は、歴史的な円安によって外貨建て資産の円換算額が底上げされ下落が緩和されたのに対し、「為替ヘッジあり」の投資家は円安の恩恵を一切受けられないまま、年5%を超えるコストを支払い続ける二重苦に陥りました。下落の真相は、銘柄選択の失敗というよりマクロ経済の構造変化に運用設計が完全に巻き込まれた結果でした。