藤田田の歩みは、日本の戦後ビジネス史そのものといっても過言ではありません。1926年に大阪で生まれた藤田は、旧制北野中学、旧制第一高等学校を経て東京大学法学部に進学。在学中からGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の通訳として働き、そこで出会ったユダヤ人将校たちの商才に強い衝撃を受けました。
1950年、東大在学中のまま輸入雑貨を取り扱う藤田商店を設立。高級服飾品やブランド小物をいち早く輸入し、貿易商としての基盤を確立します。この時期に培った国際感覚と交渉力が、後の歴史的快挙へとつながっていきます。
最大の転機となったのは、1971年の日本マクドナルド設立です。アメリカ本国は郊外型のドライブスルー店舗を強く推奨していましたが、藤田は「流行は中心街から発信される」と主張し、東京・銀座三越の1階という超一等地に1号店をオープン。歩行者天国で若者がハンバーガーを頬張る姿は社会現象となり、瞬く間に全国へとチェーン展開を広げていきました。