しかし、電撃引退の舞台裏には、単なる「本業専念」だけでは片付けられない複数の生々しい要因が絡み合っていました。当時、メディア関係者の間で囁かれていた「干された真相」には、主に3つの決定的要素が存在します。
第一に、週刊誌による熾烈な追及報道です。2006年頃から『週刊文春』をはじめとする大手週刊誌が、細木氏の過去の人間関係や金銭トラブル、高額な霊感商法・墓石販売にまつわる疑惑を連続追及しました。ノンフィクション作家らによる告発記事が連載されるに至り、クリーンなイメージを求める番組スポンサー各社が難色を示し始めたのです。
第二に、放送倫理・番組向上機構(BPO)による占い番組規制の強化です。当時、細木氏に限らずスピリチュアル番組や占いバラエティが過熱し、「人の生死や不幸を断定的に脅かすような演出は公序良俗に反する」との視聴者クレームが急増しました。民放連が占い番組の演出ガイドラインを厳格化したことで、細木氏の代名詞であった強烈な説教スタイルはテレビで使いづらくなっていきました。
第三に、高額な出演料と制作費のバランス崩壊です。1本あたり数百万円とも言われた巨額のギャランティに対し、バッシングの影響で視聴率にかげりが見え始めていた時期でもありました。2008年秋のリーマン・ショックを前に、テレビ局側が制作費削減へと舵を切るタイミングと重なったことも、一斉打ち切りを後押しした要因です。
結果として、細木氏側とテレビ局側の利害が「これ以上の泥沼化を避けて綺麗に撤退する」という一点で一致し、事実上の番組終了へと雪崩れ込みました。