ブラジルの自滅という側面だけでなく、2014年ドイツ代表メンバーの完成度と冷徹なまでのプロフェッショナリズムも見逃せません。ヨアヒム・レーヴ監督が率いた当時のドイツは、まさに黄金期を迎えていました。
最後尾には守備範囲の広い名手マヌエル・ノイアーが構え、最終ラインには主将フィリップ・ラーム、中盤にはトニ・クロース、バスティアン・シュヴァインシュタイガー、サミ・ケディラ、メスト・エジルが君臨。前線には決定力抜群のトーマス・ミュラーが配されるという、個の技術と組織戦術が最高レベルで融合したスカッドでした。
この試合の前半23分には、フットボール史に残る金字塔が打ち立てられました。FWミロスラフ・クローゼがW杯通算16得点目をマークし、元ブラジル代表の怪物ロナウドが保持していた歴代最多得点記録(15得点)を更新したのです。かつてブラジルが誇った大記録が、自国のスタジアムで、自国を打ちのめすゴールによって塗り替えられた瞬間は、残酷な運命の皮肉として世界中で報じられました。