小日向文世さんの妻は、かつて演出家・串田和美さんが主宰していた名門劇団「オンシアター自由劇場」に所属していた元舞台女優です。小日向さんより11歳年下で、小日向さんが30代半ばを過ぎた頃に劇団の後輩として入団してきました。
劇団員時代の妻は、持ち前の明るさとしっかりした気配りで周囲からも愛される存在でした。当時の自由劇場は、吉田日出子さんをはじめ個性派俳優が多数在籍する熱気あふれる劇団でしたが、劇団員の生活は決して楽なものではありませんでした。年齢差が11歳あったこともあり、最初は「頼れる先輩劇団員と新人後輩」という関係でしたが、劇団の稽古や公演を重ねる中で徐々に距離を縮めていくことになります。
結婚を機に妻は表舞台から引退し、専業主婦として家庭を守る道を選びました。芸に生きる夫を陰から支えるプロフェッショナルとして、小日向さんの健康管理から精神的なケアまで、全幅の信頼を置かれるパートナーとなったのです。