愛らしい姿で楽しませてくれる彼らだが、野生の環境に目を向けると状況は極めて深刻だ。特に主軸として飼育されているケープペンギンは、アフリカ大陸唯一のペンギンであり、絶滅危惧種(IUCNレッドリスト)に指定されている。
海水温の上昇による主食の魚の回遊ルート変化や、人間による海洋資源の過剰採取。南アフリカの沿岸部では、個体数が急激に減少しているのが現状だ。鳥羽水族館での飼育繁殖の取り組みは、単なる見せ物ではなく、種を未来へつなぐための重要な「遺伝子プール」の保護という側面を持っている。楽しさの裏にある命のメッセージを伝えることも、現代の水族館が果たすべき大きな役割なのだ。