近江神宮にはもう一つ、他にはないユニークな顔がある。「時間の聖地」としての側面だ。天智天皇は671年、日本で初めて「漏刻(ろうこく)」と呼ばれる水時計を作り、鐘を鳴らして人々に時刻を報せた。日本書紀に記されたその日が現在の6月10日にあたり、日本では「時の記念日」として定着している。
境内には複元された古代の水時計や日時計が並び、どこか時空を超えた雰囲気を漂わせる。隣接する「時計宝物館」には、和時計からロレックスの貴重なアンティークモデルまで、古今東西の時計がずらりと並ぶ。時計メーカーの関係者や時計職人が祈願に訪れる姿も日常風景だ。毎年6月に行われる「時計祭」では、最新の時計製品が神前に奉納され、時の恵みに感謝を捧げる独特の神事が執り行われている。