SNSなどでは「殺処分はあまりにかわいそう」「隔離して様子を見られないのか」といった感情的な意見も散見されます。しかし、現場で行われる対応は個人の判断ではなく、「家畜伝染病予防法」という法律に基づく厳格な行政処分です。同法では、高病原性鳥インフルエンザが確認された場合、まん延を防ぐために都道府県知事が原則24時間以内の殺処分と72時間以内の埋却・焼却を命じることが規定されています。
現場での殺処分方法は、動物福祉(アニマルウェルフェア)に配慮し、苦痛を最小限に抑える国際基準に則って行われます。具体的には、密閉容器や鶏舎全体に炭酸ガス(二酸化炭素)を注入し、鶏を速やかに意識消失・窒息させる手法が一般的です。その後、ウイルスが外部へ漏れ出さないよう深さ数メートルの土中に遮水シートとともに埋却するか、専用の施設で焼却処理され、鶏舎内外の徹底的な消石灰散布と消毒が完了するまで厳戒態勢が敷かれます。