アンディ・マクダウェル 娘として知られる次女のマーガレット・クアリーは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『哀れなるものたち』、『サブスタンス』などで圧倒的な存在感を放つ新世代のトップ女優です。この2人が真正面から対峙し、世界中に衝撃を与えたのがNetflixのリミテッドシリーズ『メイドの手帖』(原題: Maid)でした。
貧困とDVから逃れ、幼い娘を育てるために清掃員として過酷な日々に立ち向かう主人公アレックスをマーガレットが演じ、その母親で双極性障害を抱える自由奔放な芸術家ポーラ役を実母であるアンディが演じました。この奇跡のキャスティングは、制作陣側ではなく、娘マーガレット本人からの熱烈な提案によって実現したものです。
実の親子であるがゆえの複雑な距離感、庇護と依存が入り混じる危うい関係性を、2人は一切の妥協なくスクリーンに焼き付けました。アンディは不安定で破滅的な母親役を怪演し、第79回ゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネートされるなど、女優としての新境地を完全に確立したのです。親の七光りという色眼鏡を完全に吹き飛ばし、互いをプロの表現者としてリスペクトし合う関係性が生み出した最高傑作となりました。