RTD市場において、なぜ「サントリー こだわり酒場のレモンサワー」はこれほどまでに爆発的な支持を獲得し続けているのか。最大の理由は、それまでの缶チューハイに多かった「果汁感を前面に出したジュースのような甘いサワー」とは一線を画し、「居酒屋で大将が出してくれる、食事に合うキリッとしたサワー」という明確なコンセプトを打ち出した点にある。
サントリーの開発陣は、厳選したレモンをまるごと漬け込んだ「レモン浸漬酒」をベースに、複数の原料酒を黄金バランスでブレンドする独自製法を確立した。果汁だけでは表現できない、レモンの果皮(ピール)に含まれる香り成分や心地よいほろ苦さ、そしてお酒としてのしっかりとした骨太な旨味を余すところなく引き出している。
プロモーション戦略の巧みさも見逃せない。大衆演劇の重鎮である梅沢富美男氏を起用した「梅沢富美男 レモンサワー CM」は、「レモン沢富美男」という強烈なビジュアルと親しみやすさで瞬く間に世間へ浸透した。さらに二宮和也氏が魅せる「あの大将の酒場」篇など、呑兵衛が心地よく感じる酒場空間の情緒を巧みに演出し、「大衆酒場のうまい味をそのまま家へ持ち帰る」という消費者の潜在ニーズを完璧に捉えたのである。