知的水準が高いはずの人材が業務で躓く最大の要因は、「学力」と「実務遂行力」の評価軸の違いにあります。受験勉強とは「定められたルールと制限時間のなかで、用意された単一の正解を効率よく導き出す競技」です。過去問のパターンを暗記し、ミスなく処理する能力に長けていれば、ペーパーテストで満点を取ることができます。
一方、ビジネスの現場には決まった正解が存在しません。関係者の利害関係を調整しながら、不確実な状況下で「落としどころ」を自ら設計する力が求められます。学歴と仕事ができる人の違いは、まさにこの「白黒つかないグレーゾーンへの耐性」に集約されます。
論理的思考力が高すぎるがゆえに、感情や人間関係が絡む現場のファジーな判断を受け入れられず、思考停止に陥ってしまうのが高学歴ポンコツの典型的な理由です。頭の回転の速さが、実務においては「理屈ばかりで手が動かない」という逆効果を生んでしまうのです。