フォカッチャ最大の魅力である「不規則でツヤのある大きな気泡」は、力任せに生地を引っ張ることでは作れません。生地を傷つけず、最小限の接触でガスを抱き込ませるステップを踏む必要があります。
【前日夜:仕込み工程(所要時間:実質15分)】
1. ボウルに準強力粉、塩、微量ドライイーストを入れ、ホイッパーで均一に混ぜ合わせます。
2. 水と生地用オリーブオイルを一気に加え、ゴムベラで粉気がなくなるまでざっくりと混ぜ合わせます(所要時間2分程度。こねる必要は一切ありません)。
3. ラップをして室温(20℃前後)に30分置きます。
4. 濡らした手で生地の端を持ち上げ、中心に向かって四方から折りたたむ「パンチ(ストレッチ&フォールド)」を4〜5回行います。これを20分おきに計2回繰り返すだけで、生地は見違えるほど滑らかになります。
5. オリーブオイル(分量外)を薄く塗ったタッパー等の保存容器に生地を移し、フタをして冷蔵庫の野菜室(5〜8℃)で12時間〜18時間じっくり発酵させます。
【翌朝:復温と焼成工程(所要時間:約1時間)】
1. 朝、冷蔵庫から生地を取り出します。タッパーの中で生地が元の体積の約2倍〜2.5倍に膨らみ、表面に気泡が浮き出ていることを確認してください。
2. 冷蔵庫から出したての生地は芯まで冷え切っているため、室温で30分〜45分放置して復温させます。この工程を省くとオーブン内での窯伸び(スプリング)が起きず、目が詰まった重い焼き上がりになります。
3. オリーブオイルをたっぷり敷いた耐熱容器またはオーブンシートに生地をやさしく流し込みます。決して生地を押しつぶしてガスを抜かないよう注意してください。
4. 指先にたっぷりとオリーブオイルをつけ、生地の底まで届く深さで指を垂直に沈め込み、特徴的な窪み(ディンプル)を作ります。この窪みが不均一な気泡を固定し、独特の凹凸を生み出します。
5. 表面に追いオリーブオイルと粗塩、ローズマリーを散らし、230℃〜250℃に予熱したオーブンで18分〜22分、表面がきつね色になるまで一気に焼き上げます。