なぜ今、生家を手離したいと切望する長男が増えているのか。要因は極めて明快、過剰な経済的・精神的負担だ。住み手のない木造住宅は、放置すれば雑草が生い茂り、外壁は崩落し、雨漏りが進行して急速に朽ちていく。固定資産税に加え、庭木の伐採や換気のための定期的な帰省費、火災保険料。維持するだけで年間数十万円もの現金を垂れ流すケースも珍しくない。
さらに、相続登記の義務化が定着した今年2026年、名義変更を放置してうやむやに逃げ切る道は塞がれた。放置すれば過料の対象となるため、手続きから逃れられない。長男という理由だけで安易に名義を引き継げば、その瞬間に一生涯続く管理責任と金銭リスクが確定する。多くの長男たちが「家を所有するリスク」に対し、強い恐怖と危機感を抱いているのだ。