職場の会議で誰も反論せず、決定事項にただ頷く。あるいは、違和感を覚えながらも「場の空気を乱さないために」黙り込む。こうした同調圧力を肯定する口実として、この言葉が使われてきた歴史は浅くない。
しかし、近年の歴史学における検証や、NHKなどの歴史番組による再評価によって、その通念は根底から覆されつつある。最新の研究成果が明かすのは、静観や事無主義への賛美ではなく、むしろ議論の放棄を戒める姿勢だ。
不満を内に溜め込んだまま表面だけ取り繕う関係は、古人が目指した姿ではない。本音をぶつけ合わずに成立する「偽りの平和」は、破綻の前兆に過ぎないと捉えられていたのだ。