アドブルーを活用した排ガス浄化機構は、専門用語で「尿素SCRシステム(Selective Catalytic Reduction:選択的触媒還元)」と呼ばれます。自動車の排気システム内に組み込まれた精密な化学プラントともいえる装置です。
その浄化ステップは以下の流れで進行します。
- 排気管内への微細噴霧:エンジンから排出された高温の排ガスに対し、専用インジェクターからアドブルーを極微細な霧状にして噴射します。
- アンモニア(NH3)の生成:排ガスの熱(約200℃以上)によってアドブルー内の尿素が瞬時に熱加水分解され、アンモニアガスへと変化します。
- 触媒による無害化反応:アンモニアと排ガス中の窒素酸化物(NOx)がSCR触媒を通過する際、選択的還元反応が起き、有害物質が「無害な窒素(N2)」と「水蒸気(H2O)」へと変換されてマフラーから排出されます。
粒子状物質(PM)を捕集・燃焼するDPF(微粒子捕集フィルター)と、この尿素SCRシステムを組み合わせることで、最新のディーゼルエンジンはガソリン車と同等以上の極めてクリーンな排気ガスを実現しています。