1996年に彗星のごとく現れた「さらっとしぼったオレンジ」は、従来の濃厚なオレンジジュースとは一線を画す爽快な飲み口で、中高生を中心に空前の大ヒットを記録した。部活動の帰り道や喉が渇いた放課後、コインを投入して買ったあの大きな490g缶の満足感は、当時の若者文化そのものだったと言っても過言ではない。
しかし、飲料市場の激しい競争と原材料コストの上昇、さらには容器トレンドの変化が押し寄せ、2018年秋に惜しまれつつも生産終了が決定した。このニュースは瞬く間に駆け巡り、ネット掲示板やSNSでは悲鳴にも似た「さらおれロス」の声が溢れかえった。市場から消えたことでその希少価値は高まり、いつしかZ世代やノスタルジーを求める層の間で、象徴的な「平成レトロ飲料」としての地位を確立することとなったのである。