効率化を進める一方で、店舗体験には意図的な「アナログさ」が残されている。店内には券売機もタッチパネルもない。手書きのメニュー札が並び、注文はスタッフとの口頭のやり取りで行われる。店内に流れるのは、古いラジオのノイズ混じりの音声と、麺を茹でる湯切り器具の小気味よい音だけだ。
この空間設計が、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視しがちな若年層に新鮮な驚きを与えている。スマホを置き、一杯のラーメンが完成するまでの過程を五感で楽しむ。そうした「時間の贅沢さ」がSNSを通じて拡散され、週末には都市部からのドライブ客で長い行列ができる現象を生んでいる。