海老名香葉子さんの本拠地といえば、東京都台東区根岸にある通称「根岸の海老名家」です。初代林家三平さんが生前暮らしたこの場所は、昭和の演芸史を刻んできた聖地でもあり、敷地内には初代の遺品や功績を伝える資料館「ねぎし三平堂」が併設されています。
かつては連日多くの弟子や芸人、芸能関係者が出入りし、活気に満ち溢れていた根岸の自宅。おかみさんとして全員の食事を仕込み、悩みを聞き、時に厳しく時に温かく叱咤激励してきた彼女の存在は、落語協会のみならず芸能界全体で深く敬愛されてきました。
現在、日々の実務や一門の切り盛りは正蔵さん・三平さん兄弟や若女将に引き継がれていますが、一門の節目や年始の挨拶などには今も欠かさず顔を合わせます。若い弟子たちにとって、昭和の黄金期を初代三平と共に創り上げた香葉子さんは、まさに「生きる伝説」であり、精神的な大黒柱として変わらぬ求心力を放っています。