看板を下ろした失意の淵から、どのようにして一歩を踏み出したのか。一連の解体劇を経て立ち上がった新組織は、従来の「指導者絶対主義」を根底から覆す新たな ガバナンスモデルの導入を余儀なくされた。
現在運用されている改革案では、監督やコーチ陣の権限を大幅に制限。外部のコンプライアンス専門家や有識者で構成される独立監視委員会が、練習環境から部員の私生活面における相談窓口までを厳格にモニタリングしている。さらに、かつてのようなトップダウン型の命令系統を排除し、各学年のリーダーで構成される選手会が練習メニューの妥当性やチームの方針決定に直接コミットするシステムへと舵を切った。
「指示された通りに動くロボットではなく、一人の人間として考える選手を育てる」。新指導陣が掲げるこの理念は、かつてのスタイルを知るOBたちからは戸惑いの声も上がる。しかし、過去の過ちを繰り返さないための防波堤として、この開かれた組織づくりは避けて通れない条件だった。