中止の悔しさが際立った背景には、館山湾花火大会が持つ唯一無二の魅力と長い歴史があります。館山湾はその穏やかさから別名「鏡ヶ浦(かがみがうら)」と呼ばれ、海面がまるで鏡のように夜空の花火を反射する絶景で知られます。
館山湾花火大会の開催履歴を紐解くと、昭和中期に始まった大会は半世紀以上にわたり南房総の夏を象徴するイベントとして発展してきました。特に見どころとされるのが、疾走する船から海中へ次々と花火玉を投げ込み、海面上で扇状に炸裂する特大水中スターマインです。
水面スレスレで轟音とともに開く大輪の光は、内湾のすり鉢状の地形も手伝って観客の身体を芯から揺らします。同時に開催される「全国学生フラフェスティバル」の華やかなステージとともに、房総の夏の情緒を凝縮した一大エンターテインメントとして多くのリピーターを惹きつけてやみません。