市場を動かす最大のカギとなるのが、客観的かつ厳格な鑑定書である。世界最高峰の宝石鑑別機関であるGIA(米国宝石学会)によるグレード評価は、億単位の取引において絶対的な信頼の拠り所となる。今回の石もすでに非公式ながらGIAの査定を通過したと噂されており、そのカラーグレードとクラリティ(透明度)の高さが証明されたことが、話題に拍車をかけた。
では、いかにしてこの希少石が高知の地に眠っていたのか。取材を進めると、かつて昭和から平成のバブル期にかけて、日本の富裕層が海外のVIPオークションで密かに買い求めた資産の一部であったことが判明した。表舞台に出ることなく長年個人金庫で大切に保管されていた名石が、世代交代や相続をきっかけに極秘ルートを通じて市場に還元される。こうした「知られざる入手ルート」の存在こそが、宝石ビジネスの最も深遠で魅力的な裏側と言える。