壁に描かれた絵と聞くと、ストリートの「グラフィティ(落書き)」を連想する方も少なくありません。ここで問われるのが、バンクシーが投げかけた落書きとアートの違いです。無許可で公共物や私有地に描かれるグラフィティは器物損壊罪に該当する違法行為ですが、バンクシーのような有名なストリートアーティストが残した作品は、時に数千万円から数億円の価値を生み出し、自治体が保護する対象へと変貌を遂げました。
現在ビジネスや文化として定着しているミューラルアートは、グラフィティの持つ反骨精神やグラフィック性の高さを継承しつつも、建物の所有者から正式に許可・発注を受けて制作される「合法的なパブリックアート」です。街の治安を悪化させる不法なタギング(落書き)を排除するため、あらかじめ壁画アーティストに美しい作品を描いてもらう「防犯型アートプロジェクト」も各地で成果を上げています。