胸元のタトゥーを語る上で避けて通れないのが、痛みの問題だ。率直に言おう。胸骨(スターナム)や鎖骨周辺、肋骨の上は、全身の中でも屈指の激痛ゾーンである。皮下脂肪が薄く、針の振動が直接骨膜に響くような感覚は、多くの経験者が「息が詰まるような鋭さ」と表現する。痛みに極端に弱い場合は、施術時間を数回に分けるスプリットセッションや、痛みが比較的穏やかな鎖骨下中央の平らなエリアを選ぶのが賢明だ。
また、衛生管理のチェックも妥協してはならない。日本タトゥーイスト協会などが提唱する衛生管理指針に基づき、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)による器具の滅菌や、使い捨てニードルの徹底、施術ブースの完全なバリアフィルムコーティングがなされているスタジオを選ぶべきだ。安全への配慮を怠るスタジオは、デザインの質以前に候補から除外しなければならない。