観客からは「安っぽい偽物」と揶揄された部分もありましたが、実は水槽を泳いでいたバイオニックロボットは、中国が誇る最先端の海洋工学と航空宇宙技術を結集して開発された極めて高度なハイテクマシンです。
中国におけるメカ海洋生物の開発は、中国航天科工集団(CASIC)や中国船舶重工集団(CSIC)傘下の研究機関が主導しています。水中での推進効率を最大化する流体力学シミュレーション、遠隔自律航行システム、水圧に耐えうる多関節駆動システムなど、潜水艇や軍事用水中ドローンに応用される技術がふんだんに投入されました。1機あたりのロボット開発費用は数千万元(日本円にして数億円規模)に達するとされ、単なるプラスチック模型とは一線を画す巨額の開発プロジェクトです。
先行事例として知られるのが上海海昌海洋公園のメカジンベイザメです。同施設では2026年に体長約4.7メートル、重量約350キログラムの人工ジンベイザメを公開し、人工知能(AI)による自動遊泳や障害物回避機能を実証してテクノロジーファンから高い評価を得ていました。今回の小梅沙海洋世界に投入された機体もこうした系譜を継ぐ最新鋭機でしたが、ガラスの透明度や照明設計、観客との距離感が近すぎたことで機械のジョイント部分が目立ってしまい、裏目に出てしまった形です。