横浜にジブリカフェはある?噂の真相とコクリコ坂の世界観を巡る名店

横浜にジブリカフェはある?噂の真相とコクリコ坂の世界観を巡る名店

横浜にジブリカフェはある?噂の真相とコクリコ坂の世界観を巡る名店の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

映画『コクリコ坂から』に描かれた1960年代初頭の横浜は、高度経済成長期のエネルギーと、幕末の開港以来培われてきたクラシックな港町情緒が同居する特別な空間でした。ヒロインの松崎海(通称・メル)が毎朝庭から海へ向けて掲げる国際信号旗「U・W旗(安全な航海を祈る)」の舞台となったのが、現在の港の見える丘公園です。

現在、港の見える丘公園内には映画公開を記念して設置された記念プレートと掲揚ポールがあり、ファンの聖地巡礼における象徴的なランドマークとなっています。公園の一角にある「大佛次郎記念館」に併設された喫茶室「霧笛」は、赤レンガとアンティーク家具に囲まれた静寂な空間で、昭和の文豪が愛した横浜の残り香を味わえます。窓の外に広がる緑と遠くに見える横浜港の景色は、まさに映画の中で風間俊が船の上から見上げていた丘そのものの風情です。

また、男子生徒たちが取り壊しに反対して激論を交わした文化部部室棟「カルチェラタン」のモデルについてもファンの間で多くの考察がなされてきました。公式のプロダクションノートや関係者の証言によると、カルチェラタンは特定の単一建築をそのまま写し取ったものではなく、明治・大正期に建てられた複数の木造洋館や旧制高校の学生寮の意匠を融合させたものとされています。その建築様式を色濃く残しているのが、山手本通り沿いに立ち並ぶ横浜市イギリス館や山手234番館、そして近代建築の巨匠アントニン・レーモンドが設計したエリスマン邸です。

エリスマン邸の館内にある喫茶室では、緑豊かな元町公園の木立を大きなピクチャーウィンドウ越しに眺めながら、上品なコーヒーやスイーツを楽しめます。かつてこの場所で提供されブームを巻き起こした「生プリン」で知られる「しょうゆきゃふぇ」は現在元町エリアに移転して営業を続けていますが、エリスマン邸自体の喫茶スペースも静謐な時間を過ごす場所として非常に人気が高く、作中のカルチェラタンに漂っていた知的な熱気と木造建築特有の温もりを追体験させてくれます。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。