「新参者がサーブをミスすると、ベンチから重苦しい溜め息が漏れる」「ミスをした特定の選手に対してだけ、あからさまに声掛けがない」。SNSや質問サイトの投稿には、こうした人間関係の軋轢に悩む切実な声が散見されます。なぜ、本来は健康や親睦を目的とした地域スポーツで、このような摩擦が生じるのでしょうか。
最大の原因は、「勝利至上主義の競技志向」と「運動不足解消・親睦を求めるエンジョイ志向」のミスマッチにあります。強豪と呼ばれる地域のトップチームでは、学生時代の競技経験者が顔を揃え、指導者や古参メンバーからの厳しい檄が日常茶飯事です。そこへ「少し体を動かしたい」という感覚で合流してしまうと、技術差やミスに対するプレッシャーから「怖い」「ついていけない」という強烈な疎外感を味わうことになります。
さらに現場のヒアリングでは、コート外の負担が火種になるケースも浮き彫りになっています。遠征時の車出しや配車割り振り、指導者へのお茶出し当番、ユニフォームの管理、さらには試合後の反省会LINEへの返信プレッシャーなど、目に見えないローカルルールや感情労働の多さが新加入メンバーを疲弊させる原因となっています。
一方で、近年に設立されたチームや若手世代が主導するグループでは、配車やお茶出しなどの当番制を完全撤廃し、「子連れ参加歓迎」「出欠はアプリ管理で連絡の手間なし」といったフラットな運営へ移行している例も珍しくありません。一括りに「ママさんバレー=怖い」と断定するのではなく、チームごとに全く異なる文化が存在している点に注意が必要です。