実店舗が存在しないにもかかわらず、なぜこれほどまでに「愛知出店の噂」や誤認が広がったのでしょうか。その経緯を調査すると、主に3つの明確な要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、キー局制作の全国ネット番組によるメガ露出です。『ヒルナンデス!』『坂上&指原のつぶれない店』『家事ヤロウ!!!』などの人気情報・バラエティ番組では、肉のハナマサの「お肉屋さんのハンバーグ」「はまぐりだしの素」「プロ仕様PBレトルトカレー」などが頻繁に大々的に取り上げられます。これらを東海エリアで視聴した消費者が「近所にあるはずだ」と思い込み、GoogleマップやSNSで検索をかける現象が定着しました。
第2の要因は、過去の事業再編に伴うブランド混同です。ハナマサは過去の経営再編において、食肉加工・製造事業の一部(ハナマサ太公)が「神戸物産(業務スーパーの親会社)」のグループ企業に譲渡された歴史的経緯があります。愛知県内に多数展開している「業務スーパー」の店頭で類似した大容量肉製品を見かけた買い物客が、「業務スーパー=ハナマサ系列」あるいは「ハナマサが愛知に進出した」と誤解するケースが散見されます。
第3の要因として、SNS上のハッシュタグ混同とプチ炎上が挙げられます。X(旧Twitter)やTikTok、Instagramにおいて、名古屋近郊の激安精肉店(アミカやサングリーン、肉のダイリキなど)で爆買いしたインフルエンサーが、「ハナマサ並みに安い!」「名古屋のハナマサ発見」といった比喩表現で投稿。これが文脈を無視して切り抜かれ、「愛知にハナマサがオープンしたらしい」というデマ情報へと変貌して拡散されました。
ネット上では、「名古屋にハナマサがあると聞いて車を走らせたら全然違う店だった」「早く名駅か栄に進出してほしい」「関東の友達に自慢されて悔しい」といった、愛知県民のリアルで切実な声が数多く投稿されています。