「アルゴリズム」という言葉は、実はコンピュータが誕生するはるか昔、9世紀の学術研究に端を発しています。
語源となったのは、現在のウズベキスタン出身でアッバース朝の首都バグダードで活躍した大数学者アル=フワーリズミ(al-Khwārizmī / 780年頃〜850年頃)の名です。彼はインド起源の「十進法」と「ゼロの概念」を取り入れた算術書を執筆し、筆算による計算手順を体系化しました。
この書物が12世紀にラテン語へ翻訳された際、著者のラテン語名「Algoritmi(アルゴリトミ)」が「筆算による四則演算の手順」を意味する名詞として定着しました。やがて時代を経てコンピュータサイエンスの発展とともに、「計算や問題を解決するための明確な規則・手順」全般を指す言葉へと進化したのです。
ちなみに、数学の「代数学(Algebra=代数)」の語源も、アル=フワーリズミが著した数学書のタイトルに含まれる「al-jabr(移項・復元)」に由来しています。私たちが日常で使うIT用語の根底には、中世アラビア数学の知恵が息づいています。