高田夫妻の育て上げた2人の娘たちもまた、親の七光りに一切依存することなく、卓越した才能を開花させています。とりわけ長女の高田祐子(ゆうこ)さんは、国内外のアパレル界で確固たる評価を獲得する実力派ファッションデザイナーとして広く知られています。
文化服装学院を卒業後、複数の著名アパレルブランドでパタンナーやデザイナーとしての経験を積んだ祐子さんは、自らのブランド「TAGE(タージュ)」を立ち上げました。構築的でありながら着る人の自然な美しさを引き出すラインはファッション業界内で高く評価され、現在では自身の著書であるパターン・ソーイング本が何冊も重版されるなど、クリエイターとしての地位を確立しています。
かつてジュエリーデザイナーとして美の骨格を学んだ純次さんの造形感覚と、演劇の現場で衣装や空間美に触れていた勢子さんの感性。その両親のDNAを受け継いだ娘たちが、親の知名度を利用することなく自らの名前で勝負している事実は、高田家の教育がいかに「自立」を重んじるものであったかを物語っています。長女の活躍を問われた際も、純次さんは「僕は娘の作った服を着ると破けちゃうからね」と笑いに変えつつ、陰ながら展覧会や発表に目を細めているのが取材現場でも伝えられています。