昭和、平成、令和と三つの時代を跨ぎながら、視聴者の受け止め方はどのように変化してきたのでしょうか。アニメーション研究者やファンコミュニティの声からその変遷を辿ります。
子どもの頃にリアルタイムで視聴していた50代〜60代の層からは、「痛快なギャグの中にクラシック音楽のオーケストラ演奏が見事に融合しており、子どもの情操教育としても優れていた」という声が多く聞かれます。ハンナ=バーベラ期の作品は、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)のフルオーケストラ(作曲:スコット・ブラッドリー)が映像の一挙手一投足に同期して録音されており、芸術的完成度の高さが今なお評価されています。
一方で、近年の親世代からは「バイオレンス表現が教育上心配だったが、骨折や爆破されても次のシーンではケロッと元に戻る『お約束の記号化』が徹底されており、現実の暴力とは明確に切り離して楽しめている」という冷静な意見が目立ちます。残酷さを感じさせない徹底したコミックリリーフの手法こそが、80年以上クレームを乗り越えて生き残ってきた制作現場の知恵と言えます。