ネット上のQ&Aサイトや解説記事では「行間は倍数で0.8にすればよい」「固定値ですべて指定すべき」と意見が分かれることがあります。この2つの本質的な違いを理解していないと、印刷時やフォント変更時に深刻なトラブルに見舞われます。
「倍数」は、指定したフォントサイズに対して自動で比例計算を行います。途中で文字サイズを10.5ptから16ptに変更しても文字同士が重なる事故は起きません。一方、「固定値」はフォントサイズに関係なく指定した高さ(pt)を絶対値として固定します。そのため、フォントサイズ16ptの行に対して固定値12ptを指定すると、文字の上半分が切り取られて画面や印刷から消えてしまう現象が発生します。
【プロの結論】失敗しない設定の選び方と判断基準
行間設定で迷った際は、以下の基準で使い分けるのがドキュメント設計の鉄則です。
- 「倍数(0.85〜0.95倍)」が向いているケース:見出しや本文など、様々なフォントサイズが1つの段落や文書内に混在しており、後から文字サイズを変更する可能性がある長文報告書やマニュアル。
- 「固定値(フォントサイズ+3pt前後)」が向いているケース:A4用紙1枚ぴったりに収める必要がある職務経歴書、稟議書、契約書、チラシなど、絶対にレイアウトを1ミリもずらしたくない定型文書。
- 避けるべき設定:「行グリッド線に合わせたまま、フォントサイズだけを無理やり小さくする調整」。グリッドの境界線を跨いだ瞬間に予期せぬ巨大な隙間が発生するため厳禁です。