多くの人がレバーペースト作りで挫折する最大の理由は、口内に残る特有の生臭さです。「まるでお店の味!」と絶賛される仕上がりを手に入れるための決定的な秘密は、血抜き作業の精度と火入れ温度のコントロールにあります。
鶏レバーの臭気の主成分は、空気に触れて酸化した血液と、胆嚢(苦玉)の破れによる胆汁の付着です。以下の段階的アプローチを忠実に実行することで、レバー特有の不快な臭気は完全に消失します。
【ステップ1:解剖学的な切り分けと血合いの掻き出し】
レバー(肝臓)とハツ(心臓)がつながっている場合は切り離します。ハツは縦に切れ目を入れて開き、内部に溜まった黒褐色の血の塊(血合い)を指先や包丁の先で綺麗にしごき出します。レバー本体も2〜3等分の一口大に削ぎ切りにし、断面に走る太い血管や白い脂肪の筋を包丁で削ぎ落とします。
【ステップ2:冷水による徹底洗浄と塩水漬け】
ボウルにたっぷりの冷水を張り、切ったレバーを浸して優しく揉み洗いします。水が濁らなくなるまで3〜4回水を取り替えます。一般的には牛乳に浸す手法が知られていますが、プロの調理現場では濃度2%の冷塩水(水500mlに対し塩10g)に15〜20分浸す手法が推奨されます。浸透圧の働きで組織内の微細な余分な血が抜け出し、レバー本来の旨味を損なわずに臭みだけを除去できます。
【ステップ3:水気の完全切除と香味野菜とのマリネ】
ペーパータオルで表面の水分を徹底的に拭き取ります。水分が残っていると炒めた際に蒸し焼き状態となり、臭みが凝縮してしまうためです。下味として少量の塩、胡椒、すりおろしニンニクを揉み込み、常温に10分ほど置いて肉の内部温度を室温に近づけます。