彼らが選んだ住まいは、築100年を超える古い町家だ。夏は暑く、冬は底冷えする。現代的なマンションのような快適さはない。しかし、本上はメディアでその暮らしを「不便を楽しんでいる」と語る。庭に飛んでくる鳥を眺め、季節の野菜を近所からもらう。そんな泥臭くも豊かな日常がそこにある。
SNSで見かけるような「完璧に整った丁寧な暮らし」とは少し違う。障子が破れれば子供たちと張り替え、冬は薪ストーブの火を家族で囲む。夫である沢田氏の、物事を俯瞰で見る編集者としての視点も、この「ちょっと不便で面白い日常」を面白がるスパイスになっているのだろう。完璧を求めない適度な『雑さ』こそが、彼らの生活を長続きさせる秘訣だ。