新加美駅を語る上で避けて通れないのが、JR大和路線(関西本線)加美駅との乗り換え問題です。地図上では両駅は目と鼻の先、直線距離にしてわずか約110メートルに位置しています。しかし、両駅の連絡通路は存在せず、一度改札を出て地上の一般道を歩く必要があります。
実際に現地を歩いて検証すると、新加美駅の改札を出て高架沿いを進み、加美駅前の商店街通りを経由して加美駅改札に入るまでの所要時間は徒歩約2〜3分です。平坦な舗装路であるため距離自体の負担は少ないものの、完全な屋外移動となるため、強風や激しい降雨時には傘の開閉を余儀なくされ、ストレスを感じる利用者が少なくありません。
さらに見落としがちなのが乗車券および定期券の制度的取り扱いです。JR西日本の運賃規則において、新加美駅と加美駅は徒歩連絡が認められる接続駅として扱われており、両駅を跨ぐ連絡定期券の購入が可能です。例えば「新加美駅〜新大阪駅」のおおさか東線区間と「加美駅〜天王寺駅」の大和路線区間を1枚のICOCA定期券に組み込むことができます。一方、普通の片道乗車券で改札を出た場合、途中下車が認められない距離のきっぷでは前途無効(運賃打ち切り)となるため、一般的な地下鉄同士のような改札内乗り換え気分で出場すると意図せぬ精算トラブルにつながる盲点が存在します。