なんばの商店街を歩くと目を引く「天ぷらまきの難波千日前店」の賑わい。運営を手がけるのは、讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」で知られるトリドールホールディングスです。同社が培ってきた「オープンキッチンで手作り・できたてを魅せる劇場型店舗運営」のノウハウが、この天ぷら業態に惜しみなく注ぎ込まれています。
最大の魅力は、格式高い日本料理店でしか味わえなかった「揚げたてをその場で一品ずつサーブする」体験を、わずか千円台半ばで実現したブレイクスルーにあります。熱伝導率に優れた特注の銅製天ぷら鍋を囲むL字カウンター席。職人が客の食事ペースを的確に見極め、サクサクの衣をまとった天ぷらを網バットへ直接運んでくれます。
取材班が目撃した厨房では、胡麻油と菜種油を独自比率でブレンドした揚げ油が常に適温に保たれ、魚介や季節野菜の水分を逃さず閉じ込める職人技が光っていました。「最初のひと口をかじった瞬間の蒸気と衣の軽快な音」こそが、訪れる者の記憶に強烈なインパクトを残し、リピーターを増やし続けている根本的な要因です。