まずは現在の手元を確認してみましょう。普段使っているボールペンを1本用意し、いつもの感覚で紙に自分の名前を書いてみてください。以下の正しいペンの持ち方診断チェックにおいて、1つでも当てはまるものがあれば、あなたの手元は知らず知らずのうちにエネルギーを浪費しています。
【セルフチェックリスト】
□ 書いている最中、人差し指の第1関節がペコッと「くの字」に反り返っている
□ 親指が人差し指の上から深く覆いかぶさるようにクロスしている
□ 中指ではなく、薬指でペン軸を下から支えている
□ ペン軸が紙面に対して垂直(80度以上)近く立っている
□ 机にペン先を置いたとき、手のひらの小指側が机にべったりと重く密着して動かない
現場指導を行う書道家や美文字インストラクターの臨床観察によると、社会人に見られるNGな持ち方は大きく3つのパターンに分類されます。
1つ目は「親指巻き込み型(サムラップ)」です。親指の先端が人差し指の背に乗っかる形で強く握り込むため、親指の付け根に強い緊張が走り、縦のストロークが窮屈になります。2つ目は「人差し指突っ張り型」で、人差し指の先端をペン軸に垂直に押し付けるため、ペンの先端方向へ過剰な荷重がかかり、ペン先が紙に突き刺さるような書き味になります。3つ目は「グー握り(握り拳型)」で、中指・薬指・小指を手のひらに固く巻き込んでしまい、手首の柔軟性が完全に消失します。
人間工学の知見では、人間の手は「親指・人差し指・中指」の3本が協調して動くときに最も繊細な軌道コントロールができると実証されています。自己流のNGグリップは、この進化が生んだ精緻なバイオメカニクスを自ら封印してしまっている状態なのです。