宮古島と伊良部島を結ぶ全長3,540メートルの伊良部大橋、そして伊良部島と下地島をつなぐ橋を渡った先、下地島の西岸に「通り池」は位置しています。地上からは鬱蒼とした亜熱帯植物の遊歩道を抜けると、突如として荒々しい琉球石灰岩の台地に、直径約75メートルの「海側(南西)の池」と直径約55メートルの「陸側(北東)の池」が並んで現れます。
この特異な景観は、もともと石灰岩層内部に形成されていた大規模な海食洞(鍾乳洞)の天井部分が、波の浸食と風化によって崩落して生まれたものです。地質学上は「ドリーネ」や「セノーテ」と呼ばれる陥没構造にあたります。地上からは独立した2つの池に見えますが、水面下約20メートルの深さで天然の水中アーチによって両者が連結しており、さらに海側の池は水深約10メートルから45メートルに及ぶ巨大なトンネルを通じて外海(東シナ海)と直通しています。
この類稀な自然造形と周辺の特殊なカルスト植生が学術的に高く評価され、2006年(平成18年)に「下地島の通り池」として国の名勝および天然記念物に一括指定されました。潮の満ち引きに応じて池の水位が上下し、太陽光の差し込む角度や海水と淡水の混ざり具合によって水面の色が七変化する光景は、訪れる観光客を圧倒し続けています。