業態転換から時間が経過した現在、地元住民や利用者はこの変化をどう受け止めているのでしょうか。SNS、地域掲示板、現地利用者の証言を徹底取材すると、懐かしさと利便性の間で揺れる複雑な本音が浮かび上がってきます。
アピタ時代を懐かしむシニア層と、歓喜する子育て・若年層の温度差
アピタ時代に通い詰めていた60代の地元主婦は、当時の様子を次のように振り返ります。「かつてのアピタは通路が広々としていて、カートを押しながら落ち着いて買い物ができた。静かな百貨店のような安心感があった」。
一方、MEGAドンキUNY化以降にメイン顧客となった30代・40代のファミリー層からは、正反対の熱烈な支持が寄せられています。「仕事帰りの22時過ぎでも生鮮食品や翌日の学用品が揃うのは本当に助かる」「メガ盛りのお肉やプライベートブランド『情熱価格』のコスパが抜群で、物価高の救世主」といった声が圧倒的です。通路幅の狭さやドンキ特有の圧縮陳列に対して当初は戸惑いの声もあったものの、日用品から家電、カー用品、パーティーグッズまで一堂に揃う利便性が磐田市民の胃袋と財布をがっちりと掴んでいます。
テナント一覧の変遷とフードコートの現在地
店舗を構成する専門店街(テナント)やフードコートのラインナップも、時代のニーズに合わせてブラッシュアップされてきました。アピタ時代から地域に根付いていたクリーニング店や合鍵・靴修理、ドラッグ関連、バラエティ雑貨、100円ショップの「Seria(セリア)」などは利便性を維持しつつ再編されています。
かつて学生たちの憩いの場であり、家族の週末の定番だったフードコートについても、ファストフードや麺類チェーンなどを中心に日常使いしやすい構成へと整理されました。昭和・平成の「お買い物のついでに家族でゆっくり食事をする場」から、「短時間で手軽に食事を済ませ、買い物を楽しむハブ」へと役割がシフトしています。専門店街の評判においても、気取らないカジュアルさと実用性が評価されており、普段着でふらりと立ち寄れる親しみやすさが定着しています。