水戸レイクスカントリークラブが閉鎖に至った決定的な理由は、単一のトラブルではなく、長期にわたる複合的な経営危機の蓄積にありました。最大の引き金となったのは、バブル経済期に発行された巨額の預託金償還問題と、茨城県内におけるゴルフ場の熾烈なダンピング(価格破壊)競争です。当時、茨城県内は全国屈指のゴルフ場激戦区であり、アコーディアやPGMといった大手再生ファンドの参入に伴い、平日のプレー料金が昼食付き数千円台まで暴落しました。独立系で資金力に乏しい運営会社は、客数を確保しようとすればするほど採算が合わなくなる消耗戦へと追い込まれていきました。
さらに決定打となったのが、2011年の東日本大震災です。茨城県内陸部も激しい揺れに見舞われ、フェアウェイの地割れやクラブハウスの損耗、さらには福島第一原発事故に伴う風評被害が直撃しました。震災後の来場者激減に加え、コース修繕にかかる想定外の突発コストが発生。当時の関係者は「毎月のコースメンテナンス費や人件費の捻出すら自転車操業に陥り、金融機関からの追加融資も完全にストップしていた」と証言しています。金融機関やスポンサー企業との交渉が不調に終わったことで、運営会社倒産の経緯は避けられない既定路線となり、法的手続きによる事業停止と閉鎖という最も痛ましい結末を迎えました。