須崎御用邸が広く国民の関心を集める契機となったのは、天皇陛下、雅子さま、そして長女の愛子さまが折折に見せられてきた温かなご静養風景です。春休みや夏の避暑シーズン、伊豆急下田駅に降り立たれたご一家は、集まった市民や観光客に柔らかな笑顔で手を振られ、そのまま須崎の地へと向かわれます。
御用邸の敷地内にある「三井浜(みついはま)」は、一般の海岸とは完全に遮断された天然のプライベートビーチです。三方を急峻な岬と森に囲まれたこの入り江では、公務の重圧から解き放たれたご一家の穏やかな日常が流れています。
愛子さまが幼少期の頃から、三井浜での「磯遊び」は恒例の光景でした。干潮時に現れるタイドプール(潮だまり)にしゃがみ込み、ヤドカリやカニ、小さな小魚を熱心にバケツへすくい上げる愛子さま。その傍らで、天皇陛下と雅子さまが優しく見守りながら、生き物の名前や生態を語り合われる姿が幾度となく報じられてきました。
かつて雅子さまが長期療養に入られた際にも、この須崎の静かな波音と温暖な気候が、心身の回復に極めて大きな役割を果たしたと関係者の間で語り継がれています。都心の喧騒やカメラの望遠レンズから物理的に隔絶された空間だからこそ、ご家族本来の絆と自然体の笑顔が育まれてきました。